百怪風景

妖怪・怪談の紹介と考察を行うブログです。

2021-01-01から1年間の記事一覧

迷い家

「マヨヒガ」 遠野にては山中の不思議なる家をマヨヒガと云ふ。マヨヒガに行き当りたる者は、必ず其家の内の什器家畜何にてもあれ持ち出でゝ来べきものなり。其人に授けんが為にかゝる家をば見する也。 (柳田国男『遠野物語』) マヨイガ(迷い家・マヨヒガ…

幽霊

(鳥山石燕『画図百鬼夜行』) 気がつけば令和になって丸二年以上が経過し、西暦は2021年となりました。2021年といえば、昭和を生きていた人々からすれば、紛れもない『超未来社会』であり、当時の人々が想像するようなことはほとんど可能になっていると予想…

燈無蕎麦

「明かりなし蕎麦」 江戸本所七不思議の一つ。本所南割下水に毎晩出ていたという明かりもなく人もいない蕎麦の屋台。誰かが明かりを消したのかと、行灯に火を入れてみても、すぐに消えてしまう。そうこうして帰宅すると、その家には必ず不幸があるといわれた…

わいら

(鳥山石燕『画図百鬼夜行』) 「わいら」は鳥山石燕の『画図百鬼夜行』や佐脇崇之の『百怪図巻』などに描かれた妖怪です。この妖怪もまた、前記事の「おとろし」と同じく、その図像は多く描かれているものの、それらには何の説明も施されておらず、伝承の類…

おとろし

(鳥山石燕『画図百鬼夜行』) 「おとろし」は鳥山石燕の『画図百鬼夜行』や佐脇崇之の『百怪図巻』などに描かれた妖怪です。他にも松井文庫の『百鬼夜行絵巻』(こちらでは名前は「毛一杯」になっています)や鳥羽僧正の真筆と言われる『化物づくし』などに…

カイナデ

「カイナデ」 京都府でいう妖怪。カイナゼともいう。節分の夜に便所に行くとカイナデに撫でられるといい、これを避けるには、「赤い紙やろうか、白い紙やろうか」という呪文を唱えればよいという。 (村上健司『日本妖怪大事典』) 皆さんは小学生の頃、「ト…

アマビエ

(京都大学附属図書館所蔵『アマビエ』の瓦版) 2020年初頭、世界は新型コロナウイルスの脅威に晒されました。そして、周知の通り、その疫禍は未だに収束する気配を見せません。様々な陰謀論やデマゴギーが世の中を席巻し、超情報化社会と言われる令和時代に…

瓶長

(鳥山石燕『画図百器徒然袋』) 「瓶長」 わざわひは吉事のふくするところと言へば、酌めどもかはらぬめでたきことをかねて知らする瓶長にやと、夢のうちにおもひぬ。 (鳥山石燕『画図百器徒然袋』) 明けましておめでとうございます。昨年は非常にお世話…