百怪風景

妖怪・怪談の紹介と考察を行うブログです。

2020-05-01から1ヶ月間の記事一覧

じゃんじゃん火

あれは私がまだ小学生の頃やったかな。 私、高校を卒業するまでは奈良に住んでたんやけどな。その頃住んでた家のすぐ前には大きいお墓があってね。小さい時はそれがすごい怖かったんよ。 その日はたしかお母さんの買い物についていってたんやけどね。家に着…

子取りぞ

「コトリゾ」出雲地方でいう妖怪。夕方、戸外で遊んでいる子供がいなくなると、子取りぞに奪われたなどという。子取りぞは子供を奪っては脂を搾り、その脂で南京皿を焼くのだという。(村上健司編『日本妖怪大事典』) 妖怪を考える上で、ひとつ非常に重要な…

狂骨

(鳥山石燕『今昔百鬼拾遺』) 「狂骨」狂骨は井中の白骨なり。世の諺に甚しきことをきやうこつといふも、このうらみのはなはだしきよりいふならん。(鳥山石燕『今昔百鬼拾遺』) 狂骨もまた、具体的な伝承が存在しない(もしくは現状発見されていない)妖…

不落不落

(鳥山石燕『画図百器徒然袋』) 「不々落々」山田もる提灯の火とは見ゆれども、まことは蘭ぎくにかくれすむ狐火なるべしと、ゆめのうちにおもひぬ。(鳥山石燕『画図百器徒然袋』) 提灯お化けと言えば、一つ目小僧や唐傘お化けと並んで非常にポピュラーな…

文車妖妃

鳥山石燕『画図百器徒然袋』 「文車妖妃」歌に、古への文見し人のたまれやおもへばあかぬ白魚となりけり。かしこき聖のふみに心をとめしさへかくのごとし。まして執着のおもひをこめし千束の玉草には、かかるあやしきかたちをもあらはしぬべしと、夢の中にお…

すねこすり

「スネコスリ」犬の形をして、雨の降る晩に、道行人の足の間をこすって通るという怪物(備中小田)(柳田国男『妖怪名彙』) 一週間ぶりの更新です。自粛期間中にも関わらず、利き手を負傷してしまってキーボードが満足に打てず(今もそれほど打てません)、…