百怪風景

妖怪・怪談の紹介と考察を行うブログです。

2020-06-01から1ヶ月間の記事一覧

油すまし

「アブラスマシ」肥後天草島の草隅越という山路ではこういう名前の怪物が出る。ある時孫を連れた一人の婆さまが、ここを通ってこの話を思い出し、ここには昔油瓶下げたのがでたそうだというと、『今も出るぞ』といって油すましが出てきたという話もある。(…

天井嘗

(鳥山石燕『画図百器徒然袋』) 「天井嘗」天井の高は灯くらうして冬さむしと言へども、これ家さくの故にもあらず。まつたく此怪のなすわざにて、ぞつとするなるべしと、夢のうちにおもひぬ。(鳥山石燕『画図百器徒然袋』) 天井嘗(てんじょうなめ)は文…

赤ゑいの魚

(竹原春泉・桃山人『絵本百物語』) 「赤えいの魚」この魚その身の尺三里に余れり。背に砂たまればをとさんと海上にうかべり。其時船人嶋なりと思ひ船を寄れば水底にしづめり。然る時は浪あらくして船是が為に破らる。大海に多し。(竹原春泉・桃山人『絵本…