百怪風景

妖怪・怪談の紹介と考察を行うブログです。

2020-04-17から1日間の記事一覧

児啼爺

「コナキジジ」阿波の山分の村々で、山奥にいるという怪。形は爺だというが赤児の啼声をする。あるいは赤児の形に化けて山中で啼いているともいうのはこしらえ話らしい。人が哀れに思って抱上げると俄かに重く放そうとしてもしがみついて離れず、しまいには…

静か餅

「シズカモチ」下野益子辺でいう。夜中にこつこつこつこつと、遠方で餅の粉をはたくような音が人によって聴える。その音が段々と近づくのを搗込まれるといい、遠ざかっていくのを搗出されるといい、静か餅を搗出されると運が衰える。搗込まれた人は、箕を後…

はじめに

言葉というものは多義的であると同時に広大な「意味の広がり」を持っています。たとえば「かわいい」という言葉の持つ意味の広がりは非常に広大で、若い女性のいう「かわいい」の意味が年配の男性には全く理解できない、ということはままあることです。それ…